文学部日本文学科/文学科日本文学専修設立60周年記念国際シンポジウム②「環流/貫流する日本文学──十七世紀の文学圏──」
INFORMATION
十七世紀の日本をとりまく文学圏に光をあて、文学にかかわる人?言説?文物?知が、地域や時代をまたいで環流/貫流する様相を多角的に掘り起こしていく。それによって、これからの日本文学研究の可能性を探っていきたい。第一日目は3名の講師による基調講演、第二日目はシンポジウム第一セッション「移行期としての十七世紀──解釈と再編の動態──」、第二セッション「異化される十七世紀──当代の古典──」および全体討論を行う。
【研究発表(シンポジウム第一セッション)】
「『徒然草』の流行とその背景──ポスト中世としての十七世紀──」
九州大学大学院人文科学研究院准教授
川平 敏文 氏
専門は日本近世文学?思想史。主要業績に、『兼好法師の虚像──偽伝の近世史──』(平凡社、2006年)、『徒然草の十七世紀—近世文芸思潮の形成──』(岩波書店、2015年)など。
「イメージとしての〈源平合戦〉と十七世紀社会」
立教新座中学校?高等学校教諭
出口 久徳
専門は日本中世文学。主要業績に、論文「寛文?延宝期の軍記物語—延宝五年版『平家物語』から考える」(『説話文学研究』49号、2014年10月、pp.23-31)、論文「寛文?延宝期、軍記物語版本の挿絵の表現をめぐって—延宝五年版『平家物語』における頼朝「対面」場面を読む—」(日下力監修 鈴木彰?三澤裕子編『いくさと物語の中世』汲古書院、2015年、pp.489-509)など。
「山海異物の十七世紀」
国文学研究資料館教授
齋藤 真麻理 氏
専門は日本中世文学。主要業績に、『異類の歌合 室町の機智と学芸』(吉川弘文館、2014年)、論文「描かれた異境──明代日用類書と『山海異物』──」(『絵が物語る日本──ニューヨーク スペンサー?コレクションを訪ねて』三弥井書店、2014年)など。
【研究発表(シンポジウム第二セッション)】
「西鶴と源氏物語の関係」
パリ?ディドロ大学東アジア言語文化学部教授
ダニエル?ストリューヴ 氏
専門は日本近世文学?井原西鶴。主要業績に、論文「西鶴晩年の好色物における「男」の姿と語りにおける機能」(『アジア遊学』195号、勉誠出版、2016年3月、pp.87-98)、論文「ミハイル?バフチンの小説論と西鶴を中心に」(『お茶の水女子大学比較日本学教育研究センター研究年報』11号、2015年3月、pp.205-210)など。
「幽山『誹枕』の試み」
本学文学部兼任講師
稲葉 有祐
専門は近世俳諧文学。主要業績に、論文「湖十点印付嘱の諸問題-〈其角正統〉という演出-」(『立教大学日本文学』第109号、2013年1月、pp.60-73)、論文「闘鶏句合の構想」(『連歌俳諧研究』第129号、2015年9月、pp.13-27)など。
「経済小説の始原としての『本朝二十不孝』『日本永代蔵』」
茨城キリスト教大学文学部教授
染谷 智幸 氏
専門は日本近世文学?日韓比較文学。主要業績に、『西鶴小説論-対照的構造と〈東アジア〉への視界』(翰林書房、2005年)、論文「日朝文士の齟齬はいかに起こり得たか」(『文学』隔月刊第16巻第6号、岩波書店、2016年11月、pp.65-81)など。
《コメンテーター》
本学文学部助教
原 克昭
専門は日本古代中世文学?日本思想史。主要業績に『中世日本紀論考 註釈の思想史』(法蔵館、2012年)、伊藤聡?原克昭他校注『続神道大系 習合神道』(神道大系編纂会、2006年)など。
パリ?ディドロ大学東アジア言語文化学部准教授?国際日本文化研究センター外国人研究員
マティアス?ハイエク 氏
専門は歴史社会学?知識社会学。主要業績に、編著(堀内アニックと共編)『Listen, Copy, Read : Popular Learning in Early Modern Japan』, Brill, 2014, 論文「「占や算」──中世末期の占いの諸相」(国文学研究資料館編『もう一つの日本文学史──室町?性愛?時間』アジア遊学195、2016年、pp.12-28)
清泉女子大学文学部教授
佐伯 孝弘 氏
専門は日本近世文学、特に浮世草子と近世前期の怪談。主要業績に、『江島其磧と気質物』(若草書房、2004年)、倉員正江?佐伯孝弘編『浮世草子研究資料叢書』全7巻(クレス出版、2008年)など。
駒澤大学教授
鈴木 裕子 氏
専門は日本中古文学。主要業績に、『『源氏物語』を〈母と子〉から読み解く』(角川書店、2005年)、論文「〈家〉の経営と女性──匂宮?紅梅?竹河──」(『新時代への源氏学 関係性の政治学Ⅱ』竹林舎、2015年)など。
《司会?コーディネーター》
本学文学部教授
鈴木 彰
本学文学部准教授
谷 隆之
詳細情報
名称
対象者
※申込不要、入場無料